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お寿司は穴子から食べます。

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回るところのものでも回らないところのものでもなく、寿司桶に入ったお寿司だったら、何から食べますか。

好きなものから食べる派と、嫌いなものから食べる派がいるとよくいわれますが、(お寿司についていえば、白身の魚から食べ始めるのがあるべき姿だという説もあるようですが)わたしはまず好きなものから始めて、次に好きでも嫌いでもないものを食べ、最後にまた好きなものを食べるという順番です。

わたしは穴子と青魚が好物で、中トロもまあまあ好きです。
桶に入ったお寿司のようにネタを選べない場合は、穴子から始めて、好きでも嫌いでもないタコ・イカとかエビ・カニ、および貝類を途中で食べ、最後から二番目はイワシなどの青魚、しめは中トロというかんじです。
しめがイワシでもいいんですが、最後はちょっと高級品で終わらせたいのです。なんだか貧乏くさいですが。

お腹が空いているときに好きなものをおいしく食べたい。でも、最後になにも楽しみが残っていないのもちょっとさびしい。
だから、好きなもので始めて、好きなもので終えるということをしています。


今、目の前に、わたしにとっての穴子があります。それは半月ほど前からあるのです。それが世に出るとほぼ同時に、手に入れたのです。

予約してまで買ったのに、ほとんど触っていません。ネットでそれについて書かれた記事を見かけたりもしましたが、絶対にクリックしません。「ネタバレ無し」と書かれていても、絶対にクリックしません。

それとは村上春樹の新作『騎士団長殺し』です。
Amazonで予約して買いました。

自分がハルキストだと、とくに自認しているわけではありませんが、彼の書いたものはほぼすべて読んでいるので、ハルキストと言っても許されるのかもしれません。
昨年、インフルエンザにかかったときは、ひたすら村上春樹の過去の作品を読み漁っていました。
村上春樹の作品は読みやすいから病気のときにはぴったりと言うと、驚かれます。みんな口を揃えて、そんなときに読めるものじゃないと言います。
なるほど。わたしはあんまり内容を理解していないのかもしれません。

騎士団長殺し』は1部と2部の2冊で構成されていますから、今、読み始めては絶対にいけません。
こんな長編を読み始めてしまったら、たいへんなことになります。今月は大学のレポートを2本提出すると決めたのに、文献を理解する速度と書く速度が遅い自分が、こんなのを読み始めた日にはレポートなんか出せません。
ただでさえ、村上作品はいつも一気読みしてしまうのですから。

お寿司を食べるときのように、最初と最後を好きなもにする方法でなにごともできればいいんですが、実生活ではそれができないことが多いです。
今は穴子をすっ飛ばして、まずはタコやイカから食べ始めないといけない時なのです。
なのに、歯の弱いわたしはタコがなかなか噛み切れなくて、口のなかでいつまでもくちゃくちゃと食べています。

空腹のうちに好きなものをおいしく食べるのもいいですが、穴子がよりおいしくなるために、そして心おきなく穴子を堪能するために、まずはイカやタコをきれいに食べてしまいたいときもあるのです。
そんなときに食べる穴子は、本マグロぐらいの価値があるかもしれません。だからこそ、いま、とっととタコを食べてしまいたいのです。

穴子がまずくならないうちに、さっさとタコを噛み切れよ! と自分に叱咤しています。