読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

職場の人間関係は二世帯住宅に学べ?

ただの日記

f:id:utsubo_lab:20170301220155j:plain

どこで見たのか忘れたが、「転職の理由は人間関係以外にない」と断定して書いている人がいた。だれが書いたのかもさっぱり覚えていないが、請われてコラムを書くぐらいの人ではあった。

これを読んで「えっ?」と思った。そんな言い切っちゃっていいのんかしらん。まあ、もちろんそういう人もいるだろうけど、そうじゃない人もたくさんいるはず。

職場の人間関係に悩むということを、わたしは今ひとつ理解できない。自慢じゃないが、わたしは職場の人間関係で困った経験がない(自慢か……)。
まあ、陰でなにか悪口を言われたりはしていたんだろうけど、人間関係が仕事に影響をおよぼすことはなかった。

でも、職場の人間関係に悩む人は確かにいる。わたしも同僚からそれ関連の話を聞いたことは一度や二度ではない。

当たり前だが、会社は学校ではない。仕事をしに来るところだ。人付き合いよりも仕事をちゃんとすることが優先なんじゃないだろうか。
仕事をする上で必要なチームワークとか協調性と人間関係はごっちゃにしないで、分けて考えないといけないんじゃないのか。
と会社員をしていたころは、そう思っていたし、今でもそう思っている。

 

話は変わるが、二世帯住宅という便利なものが発明されてから、だいぶたつ。
こういうものを考えついた人はすごいなあと思う。それに、二世帯住宅が長い時間をかけずに日本に広まったことも意外だ。

同じ屋根の下に住んでいながら、アパートでもないのに別々の玄関から出入りして、壁一枚だか床一枚だかを隔てて別々の生活をしているということを、日本人がいとも簡単に割り切って考えることができた。良くも悪くも他人に気を使い、同列を良しとする日本人にとって、これはすごいことじゃないだろうか。

転職するのは人間関係によるものしかないと言う人がいまだに存在するのに、二世帯住宅のようなドライな関係が受け入れられたというのは、どういうことなんだろうか。

「あら、同じ敷地に家を建てるのに、息子さん夫婦と別々に暮らすの? お嫁さんとうまくいってないの?」
なんて、隣の奥さんに言われないだろうか。そんなことをよく気にしなかったなと思う。

彼らは、無理して同居してストレスがたまり、いらぬトラブルのせいで親夫婦と子供夫婦の関係がおかしくなるよりも、最初からトラブルが起きないように住居を分けることを選択したのだ。病気を未然に防ぐ予防医療と同じだ。
嫁姑関係(嫁と姑とは限らないだろうが)がこわれてから四苦八苦して関係を修復するよりも、その関係を良好に保ち続けることを重視したのが、二世帯住宅の考え方なんだと思う。
本当の医療の世界では、予防医療というのはいまだに少数派のようだが、家族の関係性においては予防医療的な考え方が受け入れられているのだ。

 

職場の人間関係も予防医療と同じに考えればいいと思う。人間関係でトラブルが起きないように予防すれば、くだらないことで悩むこともなくなるような気がする。

ある団体の代表をしている知り合いは、職員が出張や旅行に行ったときに、職場にお土産を買ってくるのを禁止しているという。
お土産を習慣化すると、みんなが買ってこないといけなくなるし、あまり出かけない人はおみやげをもらってばかりになって、「あの人はなにも買ってこない」みたいな余計なトラブルが起きるのだそうだ。
そういうくだらないことで仕事がおろそかになるのを事前に防ぐというのが趣旨だ。

 

ことさらに一人でいようとして孤立するわけでもなく、公私ともにべったりでもなく、ほどほどの距離を保っていれば、職場の人間関係でトラブルが起こりにくくなる。経験的にそう思う。
わたしは無意識に二世帯住宅方式で仕事をしていたみたいだ。
無視したりいがみ合ったりすることはしなかった。でもお昼は一人で行っていたし、プライベートな話は当たり障りのない範囲でしていた。
傍からは一匹狼のように見えたらしいが、これが功を奏して、いろいろな情報が入ってくる。群れていないから情報が漏れないと思うのか、みんな安心してべらべらと話してくれた。一つのできごとや一人の人について、いろいろな側面からの情報が入ってくる。
おかげで、ものごとにはいろいろな見方があり、人によって感じ方がさまざまにあるということを身をもって知ることができた。

どこの職場でも、いつも一緒に行動する人たちは必ずいた。昼休みも、休憩で給湯室に行くのも、帰るときも。
一緒にいる時間が長ければ、いろんな感情のやり取りがあり、気に入らないこともそりゃあ出てくるだろう。
家族や友達なら、そこを乗り越えてより深い関係になっていくんだろう。でも、一人でいたくないという、ただそれだけの理由だけで群れている場合は、時間の経過とともに破綻しやすくなるような気がする。

だから二世帯住宅方式がお勧め。ばっさり関係を切ってしまうのではなく、お互いに都合のいいときだけ一緒の時をすごす。
すべての人間関係がこんなんかんじだったら、ちょっと寂しいかもしれないけど、人との関係性よりも、ほかに大事にしたいことがあれば、二世帯住宅方式も悪くない、と思うのはわたしだけなんだろうか。